2010年3月4日木曜日

出版社は「中抜き」される側なのか「中抜き」する側なのか

 流通業界の専門用語で「中抜き」という言葉があります。
 辞書で大辞林で「中抜き」を引くと以下のようにあります。
【中抜き】なかぬき (名)スル ①中の物を抜き取ること。 ②中間を省略すること。 ③製造業者と需要者の中間に存在する問屋や小売業などの流通経路を省くこと。 〔電子商取引によりその規模や取引き形態が拡大している〕 ④「中抜き草履ぞうり」の略。「━の細緒をはき/浮世草子・一代男7」
ここで話題にするのは3番の意味です。

 最近ではKindle iPadの登場で「電子書籍が普及すると誰でも出版が可能になり出版社が中抜きされて不要になる」という文脈で使われます。

 ところがネット上では「電子書籍が普及すると誰でも出版が可能になり中抜きするだけの出版社は不要になる」というような文も見かけます。

 同じ電子書籍に対する分析ですが上の文では出版社は「中抜き」される側ですが下の文では出版社は「中抜き」する側になっています。
 本来の意味では上の文が正しい使い方ですが下の文では「中抜き」が「仲介料を取る」とかもっと悪い意味で「ピンハネする」と言う意味で使われています。

 Twitterの呟きを眺めていると正しい用法と誤った用法が半々で拮抗している印象です。

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